小田2025年10月23日(木)16:00-17:40に電気文化会館で開催された尾身茂先生の講演会に参加しました。


全体の概要
この講演では、ポリオ撲滅活動を行ってきている背景やコロナ(新型コロナウイルス)対策で、日本が「医療がパンクしないこと」(医療の崩壊)を一番大事にした工夫や、世界からポリオ(小児まひ)という病気をなくすための長い戦いが語られました。








主なポイント
①日本がコロナ対策で一番大事にしたのは、感染者をゼロにすることではなく「病院がパンクしないこと」(医療の崩壊)。
②たとえば緊急事態宣言は、感染者が増えたから出すのではなく、病院のベッドがいっぱいになりそうになった時に、強い対策として使われた。
➂発展途上国では、ポリオ(小児まひ)「ワクチン(予防接種)を受けると子どもが産めなくなる」という迷信(根拠のない話)がワクチンを打つ際には大きな弊害になった。
④たとえば中国では、昔の「一人っ子政策(子どもは一人までという国のルール)」のせいで、二人目以降の子どもが役所に隠され、ワクチン(予防接種)を受けられないという問題も起きた。
当時、50億円の資金集めに奮闘していた尾身先生のところに中国も「4歳以下の子ども全員に打てるようにしてくれたら、ロータリー側(当時3名の代表者、インド人、アメリカ人、日本人?)は1.5億円のお金を出す」の提案を受け、本部と上手く話して、無事資金が多くのところから集まるようになった。
⑤国が率先してやることをロータリーが率先してやってくれたので、尾身先生はロータリーのことを「戦友である」と表現されていた。ただ、今ここでポリオ撲滅運動をやめては、また広がるため、0までさらに力を貸してほしいとのこと。
※残すところアフガニスタンとパキスタンの2か国あるが、今まで同等かもしくはそれ以上に力を入れないと撲滅は難しいとのこと。
⑥ 今、アメリカが世界の病気対策の協力から少し離れているので、世界から信頼されている日本が、健康を守る分野(ヘルス)でリーダーになる大きなチャンス。
難しい言葉集
• 医療の筆迫(ひっ迫)/ 医療の崩壊(いりょうのほうかい):病院が患者さんでいっぱいになり、普通の治療もできなくなること。
• 緊急事態宣言(きんきゅうじたいせんげん):国が「いますぐ強い対策が必要だ」と出す、外出の制限などの特別なルール。
• ゼロコロナ:この世からポリオウイルスを失くし、ポリオの感染者や死亡者を一人も出さないことを目指す。
• ポリオ:ポリオウイルスが原因で、主に子どもが手足のマヒ(小児まひ、主に弛緩性麻痺)になってしまう病気。ただし、弛緩性麻痺はポリオ以外にもギランバレー症候群なども該当する。
• 公衆衛生学(こうしゅうえいせいがく):みんなの健康や、病気の予防について研究する学問です。
• WHO:World Health Organization(世界保健機関):世界の健康を守るために活動している国際的な組織で、本拠地はスイスのジュネーブにあるとのこと。
まとめ
世界で病気と戦うには、ただ病気をゼロにするだけじゃなく、その国の文化や状況をよく知って、やり方を変えていくのが大事だとわかった。
そして、世界で信頼され、経験も豊富な日本には、これからの世界の安全と健康を守るために、すごく大きな役割が期待されているということでした。
個人的には、アメリカが2025年1月の時点でWHOから脱退することを決めたため、アメリカが抜ける分の資金面をどうやって捻出するんだろう?というのが疑問でした。



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