
2025年3月5日(水)第416回WEB例会
開会点鐘・歌の斉唱
会長挨拶

会長 天野元成

皆さん、こんにちは。第416回の例会がスタートです。
昨年のNHK大河ドラマは、私の大好きな源氏物語の著者の紫式部と藤原道長を主人公とした「光る君へ」でしたが、今年の「べらぼう」は江戸時代中期の版元である蔦屋重三郎のお話。
大河ドラマといえば武士の話が多いのですが、今年は江戸の町人文化に焦点を当てていて面白く見ています。
江戸時代の町人文化の代表的なものに歌舞伎と文楽(人形浄瑠璃)があります。
いずれも町人(庶民)の文化として圧倒的な人気がありました。
江戸時代から、明治、大正、昭和と人気が続いてきました。
近松門左衛門の名前は人形浄瑠璃と歌舞伎の作者としてよく知られていますが、
代表作の一つの「曽根崎心中」、「冥途の飛脚」、「国性爺合戦」などは浄瑠璃として書かれたものが歌舞伎でも演じられて人気を博しました。
近松半二作の「妹背山女庭訓」、「新版歌祭文」も浄瑠璃が最初で、のちに歌舞伎の演目になりました。
歌舞伎は、名古屋でも御園座で10月には見ることが出来ますし、東京の歌舞伎座では毎月、京都の南座、大阪松竹座など公演が多くありますが、文楽(人形浄瑠璃)を見ることが出来る機会は歌舞伎よりかなり少なくなります。
大阪にある国立文楽劇場が中心となりますが、毎月必ず上演があるとは限りません。
1月に大阪文楽劇場で、「新版歌祭文(しんばんうたざいもん)」、
2月に国立劇場(改修閉鎖中のため会場はきゅりあんホール)で、「妹背山女庭訓」を観てきました。
いずれも昨年、文楽の大名跡である豊竹若太夫を襲名した十一代目豊竹若太夫さんの舞台です。
第十代目豊竹若太夫(1888~1967年 人間国宝)の孫で、豊竹英太夫→豊竹呂太夫と名跡を継ぎ、昨年第十一代目豊竹若太夫を襲名されました。




<2008年豊竹英太夫時代 私の父、長男と> <2025年豊竹若太夫さん お洒落な方>


豊竹若太夫さんは、人間国宝として太夫の頂点であった十代目豊竹若太夫の孫です。早稲田大学を卒業され研鑽を積まれ切場語りの太夫となられ、さらに大名跡を継がれました。
現在77歳です。
文楽(人形浄瑠璃)は、物語の流れや台詞を語る「太夫(たゆう)」
登場人物の感情や情景を三味線で表現する「三味線弾き」
舞台で人形を操る「人形遣い」
「太夫」と「三味線弾き」と「人形遣い」の三役が、三位一体となって舞台を作り上げます。この三役のせめぎ合いは迫力があり、緊張感があり、とても素晴らしいものです。
それぞれが芸術として際立っており、一朝一夕に会得できるものではなく一生をかけ修行していくもので、人間国宝の越路太夫さんが「浄瑠璃に一生かけたが、一生では足りなかった」と語ったほど奥深いものです。
「太夫」「三味線弾き」「人形遣い」いずれのお役からも人間国宝になられる方がおられる芸術です。
私の父は、若い時から浄瑠璃が好きで浄瑠璃の大会にも出場し優勝していたようです。
昭和の時代は、多くの人が浄瑠璃のお稽古場に通い、私の父母のようにそこで知り合って結婚することもあったようです。
父が優勝した神戸新聞主催の浄瑠璃大会の審査員が人間国宝の十代目豊竹若太夫さんというご縁で、長いお付き合いをさせて頂いておりますが、文楽(人形浄瑠璃)は本当に深い味わいがあり多くの方に是非見て頂きたいと思います。


<昭和28年神戸新聞浄瑠璃大会記事。父が優勝>


<十一代目豊竹若太夫襲名記念品>




<1月国立文楽劇場 新版歌祭文 > <2月国立劇場 妹背山女庭訓>


<浄瑠璃の太夫が語る床本という台本>
文楽の演目の「新版歌祭文」は特に野崎の段が有名です。
主人公の「お染」と「久松」。この名前、昔は誰でも知っていましたが今は知っている人は少ないでしょうね。
三味線の野崎は、これは誰でも聞いたことがあると思います。ぜひyoutubeなどで聴いてみてください。
人形の所作、表情。人形であるのに人形遣いによって命が吹き込まれ悲しさ、嬉しさ、心の奥底にある感情、全て伝わってきます。
野崎の段、おみつの「、、、、嬉しかったはたった半時、、、」。この台詞は悲しくて悲しくて泣けてきます。
「妹背山女庭訓」「菅原伝授手習鑑」など浄瑠璃は、江戸時代に作られた物語なので、儒教の影響で「忠」や「孝」の考えが多く入ってきます。
一番上位にあるのが「忠」、次に「孝」。
男女のお互いを慈しむ「愛」や親が子を思う「愛」は、全く尊重されず、
「忠」のために子が殺されますが、本当は「愛」が一番大切なことが分かっているのに
不本意ながら別の選択をせざるを得ない状況に追い込まれる不条理さ。
そこから逃れることが出来ない葛藤、悲しさ。
やむを得ず選ぶ死への道。
歌舞伎を観て泣くことは、あまりないと思いますが、文楽は本当に泣けます。
是非、多くの方に観て頂きたいと思います。
また同じ演目を文楽、歌舞伎、それぞれで観るととても面白いです。
「妹背山女庭訓」の妹山背山の段は、日本版ロミオとジュリエットのような話です。
家同士の昔からの争いがある中で、恋仲となった二人が相手を思いやって自らそれぞれ死を選び、両家の親がそんな事であったなら添い遂げさせればよかったと嘆き悲しむお話です。
幹事報告


愛知友愛ロータリークラブ24-25年度、幹事の小田です。
下記に幹事報告を致します。
◎ジャパンロータリーポータルサイト(ご確認ください)
マイロータリーよりも情報が見やすいです。
https://www.japanrotary.club/home
◎実例会
日時:3月15日(日)13時~
場所:米山梅吉記念館(静岡の三島駅付近)
※8月末の台風の影響で延期となっていた分です。
※お昼は11時から「桜屋」でうなぎの予定です。
3/15(土)13:00-16:30(11:00-三島駅に集合)
県外例会(会場:米山梅吉記念館)
4/20(日)11:30-17:30
地区協議会(会場:マリオットホテル)
5/10(土)9:00-13:00
奉仕活動&(会場:久屋大通庭園フラリエ)
6/14(土)13:00-16:30
本年度最終例会(会場:JPカンファレンスセンター3F)
7/〇(土)13:00-16:30
新年度の初例会(会場:JPカンファレンスセンター3F)
◎当クラブの例会(メークアップが可能な例会)
2025年3月15日(土)13:00- 米山梅吉記念館(静岡県の三島駅)
4月は「地区協議会」のため、ありません。
5月10日(土)11:30-:フラリエにて例会(RFF1日目)
6月:「最終例会」のため、ありません。
7月:「年度の初回例会」のため、ありません。
8月:可能です。(現在、日にちは未定)
メークアップを希望される方は、こちらから①氏名②クラブ名➂メークアップ日をお知らせください。
7/21(日)共和西児童老人福祉センターへの寄付
8/31(土)米山梅吉記念館例会 台風のため延期
9/7(土)久屋大通庭園「フラリエ」植栽
9/9(月)公共イメージ向上委員長会議
9/17(火)国際奉仕委員長会議
9/20(金)危機管理セミナー(ZOOM)
9/24(火)クラブ米山奨学委員長会議
9/26(木)青少年委員長会議
9/28(土)ガバナー補佐訪問
10/15(火)ガバナー公式訪問
11/9(土)地区大会1日目
11/10(日)地区大会2日目
11/16(土) 青少年交換プログラム帰国報告会
11/30(土) 地区補助金活動「フラワー&フォト」2回目
12/14(土) 委員会&理事会&総会&忘年会
1/11(土)地区補助金活動「フラワー&フォト」3回目
2/3(月)25-26年度のための補助金管理セミナー
2/11(火)職業奉仕見学(豊田自動織機様)
2/13(木)DEIに関するZOOMセミナー
2/19(水)第2回国際奉仕委員長会議
2/23(日)IM(インターシティミーティング)
メークアップ&スマイル
2/19~3/4までに、27名の方にメークアップを頂きました。
小林昌弘様、久米田研志郎様、佐々木康浩様、草地邦晴様、横山要範様、猪子恭秀様、児玉榮一様、高野園子様、稲垣良次様、金子豊久様、安井元司様、中村智様、竹本功様、渡部亨様、浅野安郎様、野田聡様、南康様、田口智様、大嶋信哉様、新美大輔様、大岡信仁様、櫻井健弘様、水口二良様、廣瀬成隆様、豊田貴久様、奥野櫻子様、児玉浩一様



誠にありがとうございます。クラブを代表しましてお礼申し上げます。
※ご投稿頂いたあとにお支払いをされていないと証明書が発行出来ません。
メークアップをして、決済したにも関わらず「証明書が来ない」などありましたら、こちらからお知らせください。
卓話:メンタルトレーニング


卓話者:久保田享
こんにちは、合同会社協創舎の久保田です。
主に品質管理の研修講師を生業にしており、今年一月から2期目になりました。(教育研修設計のコンサルティングもしています。)
今日は、前職(株式会社豊田自動織機)で出会った、SBT(スーパーブレイントレーニング)のことをお話しします。
1987年に(株)豊田自動織機製作所(現 豊田自動織機)に入社し、ほとんどの期間を統計の応用である品質管理(日本が培った品質管理)の推進にたずさわってきましたが、1年半を車載システムの開発業務、4年を人事部でキャリアを積みました。SBTには、人事部で教育研修の企画・運営の仕事をした時に出会いました。
当時、豊田自動織機の研修プログラムには、「○○革新」(○○は、自分で革新したいものを入れる)というリーダーシップ研修の分野があり、この中の一講座として研修会社の方からの紹介で西田文郎先生のSBTを知り、「○○革新」の一講座として開催しました。
SBTは、西田文郎先生(現:株式会社サンリ会長)が1970年代より研究を始めて、大脳生理学と心理学に基づき、研究し、確立した脳から心を鍛えるメンタルトレーニングです。
簡単に紹介すると、常に「プラス思考」でいるために、脳を「ウキウキワクワク」させる具体的な方法です。(プラス思考になろうと呼びかける書籍類は多くありますが、具体的な方法を解き明かしたのは、西田文郎先生だけです。)


<№1理論>
SBTでは、自分の一番いい状態を思い出すための引き金となるものである「№1ポーズ」を決めます。脳がマイナスイメージになってしまった時、「№1ポーズ」で脳をプラスイメージ・ウキウキワクワク状態にします。写真のポーズが、私の「№1ポーズ」です。


<№1ポーズ>
ちなみに、私はSBT2級メンタルコーチです。
このメンタルトレーニング(SBT)は、あらゆる分野で驚異的な実績を残し、特にトップアスリートの実績が顕著です。
MLBドジャースの大谷翔平選手,オリンピックで金メダルに輝いた女子ソフトボール日本代表チーム(北京オリンピック代表選手の狩野亜由美選手は,職場の同僚でした),慶應義塾高校野球部(2023年夏の甲子園大会優勝チーム)もSBTのトレーニングを受けています。
大谷翔平選手は、SBTで「自分はできる」と信じることで、最高のパフォーマンスを発揮できる状態をつくる力である「成信力」を身につけ、MLBで大活躍されています。
女子ソフトボール日本代表チームは,人差し指を天に向かって突き上げたポーズが「№1ポーズ」です。
彼女たちは、北京の次のオリンピックでソフトボールが正式種目でなくなるため、「やっている子どもたちは夢がなくなっちゃうから、どうしても金メダルをとってあげたい。」という我欲を超えた目的をもっていたから、SBTのトレーニングで、金メダルをとるというイメージの世界を楽しくワクワクしたものにでき、結果、見事金メダルをとりました。
狩野選手は、職場壮行会で、自信をもって「金メダルをとってきます。」と宣言してくれたことが今でも印象に残っています。
慶應義塾高校野球部は、2021年に就任した塾高野球部人材育成・メンタルコーチの吉岡眞司さん(SBTアスリートメンタルコーチ&1級メンタルコーチ)が、SBTのトレーニングを行いました。
吉岡さんは、目標にワクワクの要素を、目標または目的の中に「誰かのために」という要素を加え、毎日の練習前に「3点ポーズ」(親指・人差指・中指の3本指の「№1ポーズ」)を示しながら、ワクワクの要素を加えた目標の「KEIO 日本一」と目的・スローガン(「他喜昇り」)の唱和をアドバイスされたとのことです。
結果、2023年夏の甲子園で優勝しています。
なお、知的財産権の制約がありますので、詳細をお伝えすることはできませんが、興味を持たれた方は、参考文献をご一読ください。
つたない卓話で申し訳ございません。
読んでくださった皆さま、ご拝読ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
*「SBT」「スーパーブレイントレーニング」「成信力」「他喜力」
「№1ポーズ」は、株式会社サンリの登録商標です。
【参考文献】
「№1理論」西田文郎著,現代書林
「『最高の自分が成長し続ける』脳内革命 慶応メンタル」
吉岡眞司著,西田一見監修,ワニブックス
「大谷翔平の成信力」西田一見著,清談社
「他喜力 改装版」西田文郎著,清談社Pablico
「予感力 改定版」西田文郎著,清談社Pablico
【参考HP】
卓話:屋外清掃ロボットについての研究紹介
卓話者:グエン・ヴァン・タイ(米山奨学生)
ロータリー米山記念奨学金および当クラブの皆様のご支援のおかげで、まもなく豊橋技術科学大学大学院を卒業いたします。
今回の卓話では、私の研究内容とこのテーマを選んだ理由についてご紹介させていただきます。
私の修士論文の研究テーマは、「屋外清掃ロボットの不可侵領域認識による被覆動作生成」です。
本研究では、未知環境における自律的な軌道生成と効率的な領域被覆を実現する手法を検討しています。
特に、カラーコーンで囲まれた侵入禁止区域をロボットが認識し、それを回避しながら清掃を行う技術の開発を目指します。
<研究を選んだ理由と目的>
近年、ロボット技術の発展により、屋内清掃ロボットは広く普及しています。
しかし、屋外清掃ロボットの開発には、まだ多くの課題が残されています。
特に、下の写真のようにリサイクルセンターや公園などの屋外環境では、障害物の位置が日々変化するため、ロボットがそれに適応することが難しいという問題があります。


さらに、新たに清掃ロボットを開発・導入するには高いコストがかかるため、実用化が進んでいません。
そこで本研究では、市販の搭乗式屋外清掃機に制御システムを搭載し、自動化することで、コストを抑えながら効率的な清掃を実現することを目的としています。
特に、不可侵領域(例えば、工事区域や立ち入り禁止区域)をロボットが認識し、適切に回避しながら清掃できるようにすることを目指しています。


<研究内容>
本研究では、下の写真のように制御システムやセンサーなどを搭載した実用ロボットを使用します。
屋外清掃ロボットが不可侵領域を認識し、適切に回避しながら清掃を行う技術を研究しました。


清掃ロボットが安全かつ効率的に清掃するための工夫が必要です。
そのため、カメラやセンサーを活用して環境を認識し、自律的に最適なルートを選択する技術を研究しています。
また、「不可侵領域」とは、ロボットが立ち入らないようにカラーコーンで囲まれた領域を指します。
この領域をロボット自身が認識し、適切に回避しながら清掃を行うことが本研究の中心となります。
以下は、その実験動作の様子です。


<おわりに>
本研究を通じて、ロボットが実環境で適用可能であることを検証できました。
また、修士論文発表も無事に終えることができました。
本研究では、技術的な挑戦と社会的な貢献の両面に大きな魅力を感じることができました。


最後に、ロータリークラブの皆様のご支援に心より感謝申し上げます。
奨学生としての経験を大切にし、今後も技術を通じて社会に貢献できるよう努力してまいります。